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受託制作とアクセシビリティ

このエントリーはWeb Accessibility Advent Calendar 2014 - Adventarの11日目の記事になります(日付を越えてしまってすいません)。

私自身は受託制作を主とする会社に所属してWeb制作に携わっていますが、そういった中でどのようにWebアクセシビリティに向かっていくべきかについて、自分なりの今後も含めた方向性について考えをこの機会に書いてみようと思います。ひとりごとに近いものになってしまいますがご容赦ください。

多重下請構造のなかで

私が働いている会社は(今後の方針は別として現在は)受託制作が中心です。さらには多段下請けの最下流という案件の割合が多く、業界内でよく言われる「こうあるべき仕事の形」とか「理想的なクライアントとの関係」などからは遠い位置にあるだろうというのが現実です。よく多重下請け構造がこの業界の一つの大きな弊害と言われますが、まさにその弊害のなかの一員という状況です。

そういった中では先日、HTML5Experts.jpで公開された木達さんのインタビューにあるような「お客様との距離」は遠くなります。そういった状況の中でWebアクセシビリティについて取り組んでいこうとすると、設計を含めた上流工程の意思決定次第ということになり、末端の下流からコントロールすることはなかなか難しいというのが実情ではあります。

では、我々のような業界内での立ち位置の人間は、上流の状況にただただ左右され続けるのでしょうか。

コントロールできる範囲

で、これと似たような話は少し色合いは違いますが構造と体裁の分離の時代にもあったような気がします。末端のコーダーと呼ばれる立場がテーブルレイアウト一色だった時代にも、少しずつでもHTMLとCSSによる構造化されたWebページの作成にチャレンジしていた頃です。実際にはそういったことがどれほどの影響があったかはわかりませんし、最終的な決定打は「SEOに有利」ということだったのですが。ただ、苦闘していた時期があったからこそ、上流での方向性の変化に対応できたわけで、当たり前になるまでにそれができる人というのがある程度重宝されたということもありました。

これと全く同じような話では当然ないのですが、ソースコードは自分たちがコントロールできる範囲ではあるので、最終的にはガイドラインにも準拠できていないし、アクセシビリティという観点からは評価の難しい成果物と言われるケースでも、現実的に取り込めるところからはじめていくということかなと。

できることをやる中で

重ねてになりますがそれでガイドラインに準拠したサイトができるわけでも、アクセシブルなページができるわけでもありません。でも、どこか何かが一歩進んでいるはずです。

さらに打算的な話をすれば、構造と体裁の分離について上流の潮目が変わった時にはちゃんとHTMLとCSSが書ける人が重宝された時期がありましたし、JavaScriptの復権の時代にはJavaScriptが書ける人、prototype.jsやjQueryを理解している人が重宝されました。

アクセシビリティに関しても、ガイドラインに関しては設計時から取り組むべき項目も多く、ウォーターフォールで実装に渡ってきた段階ではなかなか難しい面はありますが、WAI-ARIAについては、実装の立場で対応できる部分があるのではないかと。ただ、勘違いしてはいけないのは、それをやったからといってアクセシブルなサイトを作ったことにはならないということ。そこは抑えながら、でも少しは進んでいるのはぐらいのものをやっていこうという。

多分「それをやって何になるの?」とか「意味ない」とか言われていくとは思います。でも、IE5.5とMacIEが現役だった時代にCSSでなんとか実装できないかと考えていた時や、ブラウザ間のJavaScriptの実装差のために実質的に2つの関数をif文で分けて作っていた時にも同じようなことを言われていた気がしています。で、その後ちょっとだけ重宝していただいた時期があったような気もしています(さらにその後は当たり前になる)。

ということで、多重下請構造の下層から考えるアクセシビリティというひとりごとでした。遅れてすいませんでした。